2017年11月26日ニッポン放送「里崎智也のスポーツ直球勝負!」にて「プロ野球選手は個人事業主だから半分は税金取られる」とコメント。
長年活躍されてきたスポーツ選手でも税金問題には悩まされている様子。
スポーツ選手の華々しい活躍の裏には、怪我や成績不振で悩まされたり、大減俸による資金繰りに悩まされる事も。
そんな今回、スポーツ選手が大減俸した時税金は払えるのか、具体的な対策はどのようなものがあるのか紹介していきたいと思います!
スポーツマンは税金のことを知っておくだけでよりスポーツに打ち込むことができます!これから年俸が上がることも考えて、税金の仕組みや付き合い方を学んでいきましょう。
スポーツ選手が納める税金は?
スポーツ選手は企業に属していない限り「個人事業主」扱いになります。
サラリーマンと違って確定申告や税金の支払いを自身で行わなければいけません。
支払う税金の種類と各税金の説明をしていきます。
所得税
所得税は個人の所得に応じて支払う税金です。
一年間のすべての所得から所得控除を差し引いた残りの所得に税金をかけます。
所得の種類は10種類ありますが、個人事業主であるスポーツ選手であれば年俸は「事業所得」にあたります。
出典:国税庁『所得税のしくみ』
住民税
住民税は住んでいる都道府県や市区町村に支払う税金です。
住民税は所得時の確定申告が済んでいればその内容を元に支払う金額が決定するため、
申告は基本不要です。
消費税
消費税は年俸や賞金を合わせて1000万円以上の人に課税されます。
1000万以下の選手には原則納税義務はありません。
消費税の計算は「標準税率」と「軽減税率」に分かれています。
標準税率は10%、軽減税率は8%となっています。
減俸したらどうなるの?
減俸したら税金を納められなくなる可能性があることを事例をもとに説明します。
プロ野球選手の事例が一番わかりやすいと思いますので、
大減俸した事例と破産してしまった事例を紹介します。
税金を納められなくなる
税金は前年の所得を基準に決まります。
スポーツ選手が怪我や成績不振で減俸したときは、単にその年のキャッシュが少なくなるだけでなく、貯蓄ができていない人は税金の支払いもままならない状態になってしまうのです。
大減俸した事例(プロ野球選手)
- 巨人・杉内俊哉選手(2015)5億円→5000万円
- 中日・岩瀬仁紀選手(2016)3億円→5000万円
- 中日・多村仁志選手(2016)4600万円→300万円
- 広島・新井貴浩選手(2015)2億円→2000万円
- 巨人・小笠原道大選手(2013)4億3000万円→7000万円
- ヤクルト・岩村明憲選手(2013)1億5000万円→1500万円
- DeNA・清水直行選手(2012)2億5000万円→5000万円
以上の選手は年俸が80%以上ダウンしてしまった一例です。
スポーツ選手は大減俸によって収入より支払う税金の方が多くなってしまう事も。
このような不測の事態に備えていないと「破産」してしまうケースもあるのです。
出典:デイリー『ガクッ!年俸が80%以上ダウンした選手たち(2018/1/16)
破産してしまった事例
元楽天イーグルスドラフト1位投手一場靖弘氏は、現在2000万円の借金を背負って生活しています。一場氏は明治大学のエースとして活躍し、2004年にドラフト1位で楽天に入団しました。しかし、活躍できないまま30歳で戦力外通告を受け引退しました。
一場氏は現役時代に購入した住宅のローンや、離婚した妻との子の養育費など、合計2000万円の借金を抱えています。自己破産すると99万円以上の現金は借金の返済に当てなければならないことや、新たなカードを作れないことなど制限のある生活を続けなくてはならなりません。
出典:スポーツ報知『元楽天・一場靖弘氏「昨年、自己破産しました」…月収20万円で借金2000万円の地獄生活に美人妻号泣「もう子どもは産めないな」』(2020/2/28)
破産しないためには?
収入と支出のバランス
契約金や大幅な年俸アップがあり収入が劇的に変わったときは家、車、ファッションなど様々なところにお金をかけたくなりますよね。
しかし、自分自身の働き方を考えながらお金をかけることを心がけましょう。
スポーツ選手は身体が資本。怪我のリスクと隣り合わせで、いつ何が起こるかわからないのです。
収入と支出のバランスが大切です。
納税用の資金を避けておく
先述したように、その年に支払う税金は前年の所得によって決まります。
すなわち、年俸が決まった段階である程度翌年の支払う税金がわかります。
翌年の納税を見越して納税用の資金を避けておくと、破産のリスクを抑えることができます。
法人を設立する
軌道に乗った個人事業主は法人を設立することで節税の恩恵を受けることができます。
これはスポーツ選手も変わりません。
法人を設立すると、自身への役員報酬や家族を会社の一員にすることで給与を支払うことができます。この場合、給与所得として税金を納めることになるため、給与所得控除(65~220万円)を受けることができます。
まとめ
今回はスポーツ選手の税金事情について解説していきました。
華々しい活躍の裏では税金や借金、破産とのリスクが常に隣にいるのがスポーツ選手。
「税金のことまでわからないよ!」という方ばかりでしょう。
少しでもわからないことがありましたら以下のフォームよりご連絡ください!
どんな些細なことでもお答えさせていただきます。
これからの皆さんのご活躍をお祈りしています!
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