【性・年代別】長座体前屈の平均値とは!?測定の方法と意味を解説

代表的な体力測定の1つの「長座体前屈」にはいったいどんな意味があるかご存じですか?ここでは、長座体前屈を余すことなく解説していき、皆様に正しい知識を知り、今後の活用に役立ててほしいと思います。

長座体前屈は身近な体力測定です。誰でも一度はしたことがあるのではないでしょうか。一度、自分の長座体前屈を見直し、健康や体力向上の指標にしていきしょう。

目次

結論

◆柔軟性を把握し、腰痛や膝痛など傷害のリスクに備えよう!

長座体前屈とはなにか!?

測定の意義・意味

下肢の柔軟性を把握することを目的に行われます。特に大臀筋、ハムストリングス、腓腹筋の柔軟性は腰痛や膝痛など傷害のリスクと高い相関があり、柔軟性が低いと腰痛や膝痛を引き起こしやすくなります。

長座体前屈に関わる筋肉

長座体前屈測定は体力の中の柔軟性を測るための方法。この測定では主に『大臀筋』『ハムストリングス』『腓腹筋』の柔軟性を測定します。

測定方法

文部科学省の新体力テストの実施要項に基づいて実施するのが一般的です。

方法

  1. 両脚を両箱の間に入れ、長座姿勢をとる。
  2. 壁に背・尻 をぴったりとつける。ただし、足首の角度は固定しない。
  3. 肩幅の広さで、手のひらの中央付近が厚紙の手前端にかかるように置く。
  4. 胸を張って、両肘を伸ばしたまま両手で箱を手前に十分引きつけ、背筋を伸ばす。
  5. 両手を厚紙から離さずにゆっくりと前屈して、箱全体 を真っ直ぐ前方にできるだけ遠くまで 滑らせる。このとき、膝が曲がらないように注意する。
  6. 最大に前屈した後に厚紙から手を離す。

記録

  1. 初期姿勢から最大前屈時の箱の移動距離をスケールから読み取る。
  2. 記録はセンチメートル単位とする。
  3. 2回実施してよい方の記録をとる。

 実施上の注意

  1. 前屈姿勢をとったとき、膝が曲がらないように気をつける。
  2. 箱が真っ直ぐ前方に移動するように注意する (ガイドレールを設けてもよい )。
  3. 箱がスムーズに滑るように床面の状態に気をつける。
  4. 靴を脱いで実施する。

結果の解釈

スポーツ庁は毎年、「体力・運動能力調査結果」を発表しており、そのデータをここでは活用していきます。

成人男性の平均値・標準偏差

長座体前屈に関する知見

身体の硬さは動脈硬さと関係がある

長座体前屈で評価した体の柔軟性と動脈スティフネスの値の間に関連性があることが先行研究で示されています(Yamamoto et al., 2009)。また、1,200人規模(若年者から高齢者まで)の横断研究において、身体の柔軟性が高い者は、動脈スティフネスが低値であることが示されています(Nishiwaki et al., 2014)。

柔軟性がなぜ大切なのか

長座体前屈の動作には筋肉の動きを伴うため、疲労回復、筋肉痛解消などの運動効果が期待でき、血圧や脈拍にもよい影響を与えます。柔軟性は、体全身を上手に使えるようになったり、運動時の怪我防止につながります。また、多くのスポーツや日常生活でも重要な力になります。

長座体前屈が苦手!

長座体前屈ができない原因として、太ももの裏側の筋肉である「ハムストリングス」が硬くなっていることが考えられます。ハムストリングスは「半腱様筋」「半膜様筋」「大腿二頭筋」の総称で、骨盤の「坐骨結節」から膝をまたいで「脛骨」「腓骨」にまで繋がっています。日頃からストレッチを行ってみましょう。

Yamamoto K, Kawano H, Gando Y, Iemitsu M, Murakami H, Sanada K, Tanimoto M, Ohmori Y, Higuchi M, Tabata I, Miyachi M. Poor trunk flexibility is associated with arterial stiffening. Am J Physiol Heart Circ Physiol. 2009 Oct;297(4):H1314-8. doi: 10.1152/ajpheart.00061.2009. Epub 2009 Aug 7. PMID: 19666849.

Nishiwaki M, Kurobe K, Kiuchi A, Nakamura T, Matsumoto N (2014) Sex Differences in Flexibility-Arterial Stiffness Relationship and Its Application for Diagnosis of Arterial Stiffening: A Cross-Sectional Observational Study. PLOS ONE 9(11): e113646. https://doi.org/10.1371/journal.pone.0113646

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この記事を書いた人

位高 駿夫のアバター 位高 駿夫 株ハイクラス・CEO

”健康”と”勝利”に役立つスポーツ健康科学情報を配信します【経歴】株ハイクラスCEO/博士(スポーツ健康科学)/健康運動指導士/第一種衛生管理者/ホームヘルパー2級

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